令和3年分年末調整のための各種様式等について
2021/09/27
令和3年分年末調整のための各種様式等について
国税庁より9月17日に令和3年分の年末調整関係書類の様式が公表されました。
令和2年においては給与所得控除、寡婦控除、ひとり親控除、配偶者控除、基礎控除に改正があり、また所得金額調整控除といった税負担の軽減措置が設けられましたが、令和3年は所得控除については特に変更ありません。
ですので、企業の経理担当者の方は基本的には昨年と同様に年末調整を行っていただければ結構です。
令和3年分は年末調整関係書類の様式の変更のみです。
(1)(令和4年分)給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の変更点は以下の2点です。
- 「あなたの氏名」欄の押印欄の削除
- 令和3年4月1日より税務関係書類の押印が原則廃止されたことによる変更です。
- QRコードの新設(保険料控除申告書、配偶者控除等申告書においても同様)
- QRコードをスマホで読みよると記載例が表示されますので記載例を確認しながら記入していただけるようになりました。
(2)(令和3年分)所得金額調整控除申告書の変更点は以下の2点です。
- あなたの本年中の年末調整の対象となる給与の収入金額が850万円以下の場合は、記載する必要がありません。の文言の追加
- 特別障害者欄の記載の簡素化(扶養控除申告書と同様の内容の場合はチェックのみ)
今回の改正は主に記入する者の利便性向上が目的で変更がされているようです。
所得金額調整控除は給与収入が850万円以下の方は対象になりません。850万円を超える方はごく一部の方に限られますのでこの文言は昨年から記載しておくべきであったと思います。
給与所得者の方にとっては基本的に年に1回しか記載しない書類であり、かつ、内容が変更される年もあることから完璧に記載できる方は少ないです。
ですので、私の事務所では各関与先に年末調整の案内文をお送りしておりますが、その際にこの「記載例」をプリントアウトして一律お送りしておりました。
今後はQRコードを読み取り、ご自身で記載内容が不明な部分だけを確認いただけますので年末調整業務が以前よりも少しはスムーズになると思われます。
本来は、マイナンバーを普及させ、保険料・扶養親族等のデータを連携させることによって完全自動計算ができ、年末調整業務自体を無くすべきだと思いますし、今の技術で十分できるはずです。
年末調整などは日本の生産性が低いと言われる典型的な業務だと思いますのでさらなる抜本的改革を希望します。