退職所得課税の改正
2021/10/18
退職所得課税の税制改正
~令和4年1月施行~
令和3年度税制改正により、勤続年数が短い従業員の退職金【短期退職手当等】について改正が行われ、令和4年1月から施行されます。
退職金は長期間にわたる勤務の対価であり、「給与の後払い」としての性格をもっており、退職の際に一時に相当額の退職金を受給することなどから、超過累進税率を緩和し、税負担の平準化を図るため、分離課税の対象とされ、かつ、退職所得控除額や、2分の1課税の措置が講じられてきました。
【一般の退職手当等に対する所得税額の計算方法】
収入金額 ― 退職所得控除額(注1))×1/2×超過累進税率(注2)=退職所得に係る所得税額
(注1)勤続年数20年以下 ⇒ 1年につき40万円(最低80万円)
勤続年数20年超 ⇒ 1年につき70万円
(注2) 課税退職所得金額によって5%から45%までの税率が適用
平成24年度税制改正では、勤続年数5年以下の法人役員の退職金【特定役員退職手当等】については、税負担の平準化を図る必要性が無いとのことから「2分の1課税」の適用はできないこととされました。
【特定退職手当等に対する所得税額の計算方法】
収入金額 - 退職所得控除額)×超過累進税率=退職所得に対する所得税額
さらに、令和3年度税制改正では、勤続年数5年以下の法人役員以外の退職金についても、一定額以上の部分について、2分の1課税の適用から除外することとされました。
【短期退職手当等に対する所得税額の計算方法(今回改正)】
- 収入金額 - 退職所得控除額 - 300万円
- 300万円×1/2
- {①+②}×超過累進税率=退職所得に対する所得税額