福島会計事務所

小規模企業共済の加入のススメ

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小規模企業共済の加入のススメ

小規模企業共済の加入のススメ

2021/10/20

小規模企業共済の加入のススメ

小規模企業共済制度は中小企業基盤整備機構が行なっている企業経営者のための退職金積立制度です。

 

小規模企業共済のポイント

(1)メリット

  • 掛金が小規模企業共済等掛金控除」として、全額所得控除の対象

 

     小規模企業共済の掛金は全額所得から控除することができ、所得税及び住民税の節税効果があります。

     小規模企業共済等掛金控除は所得控除ですので累進税率の高い方ほど節税効果が大きく、例えば課税所得が400万円の方が月額7万円の掛金を支払った場合、所得税と住民税の合計で年間241,300円の節税をすることができますが、

     課税所得が800万円であれば合計281,200円の節税をすることができます。

   

  • 掛金は月1,000円~70,000円の範囲内で自由に設定可能であり、加入後、いつでも金額の変更が可能

 

小規模企業共済の加入期間は長期にわたりますので、経営悪化等の理由で掛金が支払えない場合でも例えば1,000円まで減額して加入し続けることもできます。

 

  • 共済金は退職や廃業時等に受取が可能

 

共済金を一括で受け取ると「退職所得」となります。掛けた年数分の「退職所得控除額」が控除可能ですので、退職所得控除の枠を少しでも多く取るため、

最初は少ない掛金でも結構ですので早めに加入をお勧めします。

ちなみに、退職所得控除は勤続20年以下の場合、40万円×加入年数となり、

20年を超えると800万円+70万円×(加入年数―20年)となります。

 

また、共済金を分割で受け取ると「公的年金等の雑所得」となります。

     公的年金等の雑所得となる場合、国民年金・厚生年金等と合算されて所得金額が計算されます。

     

  • 共済金の受給権は差し押さえ禁止のため、将来の退職金をしっかり確保可能

 

 

  • 納付した掛金の範囲内で事業資金の貸し付けを受けることが可能

 

今回のコロナ禍のように突発的な災害等によって緊急に資金が必要になった場合には迅速に貸付を受けることができます。

生命保険の契約者貸付と同じような制度です、

 

 

(2)デメリット

  掛捨てリスクがある

 

準共済金の場合は、掛金月数が12ヶ月未満の場合は掛捨てとなります。

   共済金A・Bの場合は、6ヶ月未満は掛捨てとなります。

   解約手当金の場合は、12ヶ月未満は掛捨てとなります。

 

  加入期間20年未満の元本割れリスクがある

 

   20年以上掛けなければ解約手当金が元本を下回りますので目先の節税ばかりを考え過ぎず長期的視野でもって加入の検討が必要です。

   ただし、掛金拠出時の節税効果の範囲内での元本割れであればトータルでは損していないと考えることもできます。

  

  受取時に課税される

 

  掛金拠出時に節税効果があり、受取時に課税されますので小規模企業共済は「課税の繰延べ」と言えます、

  確かに受取時に退職所得・雑所得・一時所得のいずれかの所得となりますが、退職所得であれば上述のとおり、退職所得控除という大きな控除が適用できますので税額は少なく抑えられます。

  雑所得の場合も退職所得控除ほど大きくはありませんが、公的年金等控除が適用できます。

  注意が必要なのは「一時所得」に該当する場合です。

  65歳未満の方が任意解約をする場合の解約手当金は「一時所得」扱いになります。

  一時所得の所得金額は{収入金額 - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除(50万円)}×1/2で計算されます。

 問題は掛金の納付累計額が「収入を得るために支出した金額」となるか否かですが、既に各年において所得控除として控除済みですので、一時所得の支出した金額として控除はできません。

  一時所得の場合、特別控除と1/2課税がありますが、退職所得・雑所得に該当する場合よりも受取時の税負担が大きくなる場合が多いと思われます。

 

小規模企業共済は節税効果があり、将来の退職金原資を外部積立できますので非常にメリットの大きい制度だと思います。

「小規模企業共済等掛金控除」は現金基準ですので、年末に向こう1年分の前払をした場合でも全額今年の控除対象となります。

そろそろ今年の所得がいくらになるか気になる季節になってきましたので、所得の発生がある程度予測される事業者の方はこのタイミングで加入をご検討ください。

 

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