建築中の家屋の評価
2021/11/05
建築中の家屋の評価
家屋の評価額は原則として、固定資産税評価額に1.0を乗じて計算した金額で評価します。
しかし、課税時期(相続開始時、贈与時)に建築中の家屋については当然ながら固定資産税評価額が付されていません。
そこで、建築中の家屋の評価額は以下の算式により計算します。
(算式)
建築中の家屋の価額 = ※費用現価×70%
※費用現価とは課税時期までに投下された建築費用の額を課税時期の価額に引き直した金額をいいます。
費用現価の算出は、家屋の総工事費用に工事進捗率を乗じて計算します。
工事進捗率は建築請負業者から「進捗率証明書」をもらいます。
例えば、総工事費用が2,000万円、課税時期における進捗率が60%の場合、
費用現価は、2,000万円×60%=1,200万円
家屋の評価額は、1,200万円×70%=840万円となります。
また、工事代金2,000万円の支払方法ごとに相続財産となる金額は以下のとおりです。
(1)全額前払いした場合
支払済みの2,000万円 - 1,200万円(費用現価) = 800万円が「前渡金」としてプラスの相続財産となります。
(2)全額後払いした場合
費用現価の1,200万円が「未払金」としてマイナスの相続財産となります。
(3)半額を前払いした場合
1,200万円(費用現価) - 1,000万円 = 200万円が「未払金」としてマイナスの相続財産となります。