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黒字経営の道

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2023/10/16

限界利益の重要性

中小企業の黒字化のためのポイント

中小企業の業績把握の道しるべとして①売上高、②変動費、③限界利益、④固定費、⑤経常利益の5つに区分された各ブロックがそれぞれどのように関係しているかを理解し、どこに対策をしていくかが重要です。

ちなみに②変動費、③限界利益、④固定費は管理会計の分野の言葉であり、財務会計上(決算書)には表記されない項目です。

まず、②の変動費は商品仕入高、外注加工費などの①売上に連動して変動する経費のことです。

売上原価項目が変動費に該当することが多いですが、必ずしも原価項目だけとは限りません。

例えば製造原価に含まれる正社員の給与は売上高に比例して増加するわけではありませんので変動費ではなく固定費に該当し、販管費に含まれる飲食店がクレジットカード会社に支払う手数料は売上に連動しますので変動費となります。

③の限界利益は①の売上高から②の変動費を控除して計算します。

③の限界利益から④の固定費を差し引いた金額が経常利益となります。

④の固定費が③の限界利益の範囲内に収まれば黒字になり、固定費が限界利益をオーバーすると赤字となります。

つまり、③限界利益(①売上高-②変動費)イコール固定費であれば利益はトントンということになります。

では、原価率(変動費率)30%で毎月の固定費が350万円かかる飲食店の場合、利益がトントンとなるためにはいくらの売上が必要でしょうか??

原価率(変動費率)が30%ということは限界利益率が70%(100-30)です。利益がトントンとは限界利益=固定費となるケースですので固定費÷限界利益率で算定します。

限界利益率70%で固定費が月額350万円の飲食店の必要売上高は350万円÷70%=500万円ということになります。

この飲食店は毎月の売上高が500万円あれば何とか経営していけることとなります。

ただし、これは無借金経営の場合であり、通常は金融機関から融資を受けている企業が多いと思います。

融資を受けている企業にとっては事業の利益から借入金の元金を返済が必要ですので利益がトントンでは返済原資がありません。

その場合には目標売上高は(限界利益+1年以内返済予定借入金)÷限界利益率ということになります。1年以内返済予定借入金が140万円とすると目標売上高は(固定費350万円+返済額140万円)÷70%=700万円ということになります。

また、利益800万円以下の場合の法人税率約25%を加味して計算すると目標売上高は約770万円となります。

このように②変動費、③限界利益、④固定費の金額を使って目標売上を算出することができます。

ただし、これはあくまで必要利益から逆算した売上高であり、実際にはこの目標売上高を達成できるか否かは別問題です。

中小企業経営者にとって簡単に売上が上がれば苦労はしないです。皆さん、なかなか思うように売上が上がらないから悩まれています。

でも、会社に利益を残す方法は売上高をどんどん伸ばしていくことだけでしょうか??

例えば、売上は横ばいでも、仕入等の廃棄ロス等を減らすことができれば変動費は下がり、限界利益が増加します。固定費が変わらなければ変動費が下がった分だけ利益となります。

また、昨今の原材料費等の高騰で変動費の圧縮が困難な場合であっても、商品売上単価の見直しや固定費の圧縮によっても利益を増やすことができます。

経常利益を捻出する方法は売上高(取引量)を増やす、安易な値引きや単価の見直しによる客単価のアップ、

商品仕入の管理の徹底、内製化による外注費の圧縮、売上との因果関係の薄い固定費の圧縮などさまざな方法によって会社の黒字化を目指していただきたいと思います。

当事務所では同業他社の黒字企業の平均的な限界利益率、労働分配率などの指標と比較をしながら、関与先の経営者の方にはまずは自社の現在の立ち位置を理解していただき、課題解決にむけてともに取り組んでおります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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